「スポーツのひろば」2025年11月号にて、「スポーツ後のビールと酒」というテーマで誌上討論の原稿を募集したところ、3名の方から届きました。

マラソン後のビールは自分へのご褒美
私にとって何にも勝るごちそうです。それは消費した水分の補給、という面もありますが、10㎞であれ、ハーフであれ、走り切った満足感、そんな自分へのご褒美という充実感が、最高の調味料のように思えます。そしてやはり激しい運動のあとなので、油っぽいものがほしくなります。大切なのは、ほどほどに、いい気持ちの余韻を残しながら切り上げることですね。
脱水症状になったことないが専門家の意見も聞きたい
「脱水症状」とは、体中の水分や電解質(ナトリウム、カリウムなど)が不足している状態のことを指し、体内の水分構成が崩れると、さまざまな不調が起こるという。脱水症状が起きる主な原因として、過度の発汗、発熱・下痢・嘔吐、水分摂取不足などが指摘される。
さらに、利尿作用のある薬や飲み物の摂取(例:利尿剤、コーヒー、アルコール)も挙げられており、そこで、ビールがやり玉に挙げられるわけだ。主な症状として、のど・口や唇の渇き、尿の量が少なくなる・色が濃くなる、さらには、めまい・立ちくらみ、倦怠感・集中力低下などが指摘されている。
そこで、スポーツで大量の発汗をしたあと、さらにビールを飲むという脱水症状の原因とされる行為が重ねられた場合(略して「スポ・ビー」)に、上記、脱水症状を示したか、示さなかったかの経験をアンケートしたらどうか。そのデータを集積した上で、医学の専門家等に再検討を促すなどの働き掛けをしたらどうだろう。ちなみに私は、「スポ・ビー」で脱水症状になったことはない。
身体には悪い? でもビールはおいしい!
運動後のビールおいしいです。身体には悪いと思いつつ…。
「ひろば」編集長から
3人の読者の方から投稿をいただきました。誌上討論には時期尚早で、まだ期が熟していなかったと反省しています。
医学の専門家ではないので、PubMedという医学に関する学術文献の検索サイトで調べてみると、実際に脱水症になった実例が出てきました。
登山後に山小屋でビールを飲み、脱水症になりました。飲む前にすでに脱水になっていたところへ、アルコールの利尿作用で脱水症を発症したということです。
つまり、運動後すでに汗をかいて脱水状態になっているときに、水分補給と称してビールを飲むのは厳禁だと読み取れば良いのではないでしょうか。脱水症や熱中症になる直前まで、水分補給をしないことが危険だと知っていることが教訓です。

もう一つ角度の違う問題を考えましょう。お酒を飲めない、飲みたくないという人の気持ちにも気をつかおうということです。
海外の人々と比べると、日本人は台湾人・中国人と並んで、お酒に弱い人が多いという統計があります。歴史的に「酒の弱い人の割合が上がってきた」という研究もあります(奥田昌子「日本人の『遺伝子』からみた病気になりにくい体質のつくりかた」講談社 2022年)。「全員そろって居酒屋へ」ではなく、それぞれが自分の気持ちを大切にして、行きたい人だけ行くという個人の自由を尊重し、ゆるやかに参加する飲み会にすることも、今後は必要だと思います。(「ひろば」編集長・西條晃)
